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バイマンスリーワーズ

Bimonthly Words

雨ニモ負ケズ

1991年05月

有名な宮澤賢治の「雨ニモマケズ」の全文です。
死を予感していた彼は、病床に伏しながら愛用の黒い手帳にこの詩を書き残しました。
一般には「童話作家」として知られている彼は、
花巻農学校の教員を経て、農民の幸福のために尽くすことを決意。
農民の生活を守るべく稲作の指導などに東奔西走し、
晩年には知人の会社経営の立て直しにも力を注ぎました。

自分ノ給料ハ勘定ニイレズ 後ニ廻シ…

豊かな日本の現代社会において、この詩は些か違和感を感じますが、
経営者や経営幹部にとって共鳴できるところもあるでしょう。
宮澤賢治が理想とした生き方を現代の経営者の姿に置きかえれば、
このような詩になるかも知れません。

 雨ニモマケズ 風ニモマケズ… (中略)
 自分ノ給料ハ勘定ニイレズ 後ニ廻シ 社員ヤ取引先ヲ優先シ
 ヨクミキキシ ワカリ ソシテワスレズ(人の意見を聞き、勉強し、忘れず、)
 東ニオチコム社員アレバ 行ッテ励マシ
 西ニ疲レタ社員アレバ 一緒ニ飲酒ンデ ウタイ
 南ニ倒産シソウナ取引先アレバ 行ッテ相談ニノリ
 北ニ業界ノモメゴトアレバ ツマラナイカラヤメロトイイ
 不況ノ時ハ 歯ヲクイシバリ
 資金繰リ苦シキ時ハ オロオロアルキ
 ミンナニ陰口ヲタタカレ
 ホメラレモセズ クニモサレズ…

自分のできることに精一杯尽くす

物質面では宮澤賢治が生きた時代からは想像がつかないような豊かな社会になりました。
しかし、経営者に迫る精神的な苦痛は今も昔も変わりません。
 ・なぜこんなにつらい毎日がつづくのか
 ・社長というのはもっと格好よく、裕福なものと思っていたのに
 ・できることなら誰かに代わってほしい

社長さんや幹部の方なら必ず一度は(いや何度でも)
このような思いを経験されているのではないでしょうか。

精神的苦痛がつづき、悲壮感ただよう毎日を過ごせば、
いずれ精神的にも肉体的にもボロボロになり、
結果、会社を危うくすることにもなりかねません。
また、苦しみもがいているトップには社員がついてこないでしょう。

そこで、「雨ニモマケズ…」の詩の中で私達がいちばん注目すべきことは、

  「ソウイウモノニ ワタシハナリタイ」

という言葉で結ばれていることです。
つまり、自分を勘定に入れずに、自分のできることに精一杯尽くす…。
これが宮澤賢治の生きる目的であり、決して「楽」になることを目的としていないのです。
すなわち、これが経営者や経営幹部の生き様でもあると思うのです。

金もうけは経営にあらず

先日引退した千代の富士が、
「毎日がつらかった。苦しい稽古やケガがあると何度もやめて楽をしたいと思った。
しかし、つらかった現役時代が自分にとっていちばん充実していたと思う。」
と語っています。

大業を成し遂げる人は決して「楽」をすることを到達点に置いていません。
否、そういう人は「楽」な状況になりかけたとき、
必ず自分を苦しい状態に置こうとします。
つまり、現役であり続けようとするのです。
この状態を何度も経験すると、今度は苦しい状態が最高の喜びとなってきます。

経営者が金を貯め、「楽」をすることを夢見れば、毎日がつらいものになります。
こんな生活はただの金もうけであって、経営とは決していえないでしょう。
苦しいこととは知りながら、今自分のできることを天命と信じ、
懸命に努力をはらっている現役の経営者。
この姿が最も美しい姿であり、あるべき姿なのではないでしょうか。