free dial0120-370-772

[受付] 9:00~17:30(平日) 全国対応

home 経営者大学 | 中小企業の経営者・後継経営者のための経営講座 > 主宰講師ブログ > 右腕・後継者を育てるための“経営的視点”入門 ~①経営的視点とは?~

主宰講師ブログ

Blog

右腕・後継者を育てるための“経営的視点”入門 ~①経営的視点とは?~

公開日:2025年09月01日

中小企業の経営者なら、こんな思いを抱いたことがあるのではないだろうか。

  • 自分の右腕として頼れる人材が欲しい
  • 自分と同じ視座で話せる人材が欲しい
  • 自分の後継者と自信をもって言える人材が欲しい

一方で、こんな悩みもよく耳にする。

  • プレイヤーとしては優秀なのだが…
  • 一部門の長としてはよくやってくれているのだが…

など「経営的視点」を持った人材の育成に頭を抱えている経営者は多い。

また、特に中小企業においては、「全社員が経営者」との意識をもって、
各社員が「経営的視点」をもって自律的に動いてくれると心強いものである。

本記事では、「経営的視点」を育むためのヒントを考えていきたい。
まず今回は、そもそも「経営的視点」とは何かについて解像度を上げてみたいと思う。

中長期的・本質的・俯瞰的に考える

例えば、「期待していた若手の社員Aさんが退職をしてしまった」という出来事が起きたとき、どんなことを考えるだろうか。

  • 「来月のプロジェクト納期に間に合わない」(①)
  • 「今四半期の売上目標が危ない」(①)
  • 「給料が安いから辞めた」(②)
  • 「上司と合わなかったから辞めた」(②)
  • 「また人手不足で残業が増えてしまう」(③)
  • 「とりあえず派遣社員で穴埋めしよう」(③)等々

ありがちな回答である。

経営的視点に立つと、

  • 「過去3年間で離職率が30%増加しているが、何が原因だろうか?」(❶)
  • 「このペースの採用・退職が続くと、5年後の事業拡大に必要な人材が確保できない。何か打開策はないだろうか?」(❶)
  • 「本当に給料や上司だけの問題だろうか?」(❷)
  • 「個人的な原因なのか?環境や制度に原因があるのだろうか?最近の退職の真因は何だろうか?」(❷)
  • 「他部門も同様の離職傾向があり、全社的な構造的問題があるのだろうか?」(❸)
  • 「競合他社と比較して、当社の働く環境に何が不足しているのだろうか?」(❸)等々

例えば、そんな問いがよぎるのではないだろうか。
この前者と後者の視点の違いは何だろうか。

それは、以下の通りである。

非経営的視点(前者)とは、「①短絡的、②表面的、③局所的」に考えているのに対して、
経営的視点(後者)とは、「❶中長期的、❷本質的、❸俯瞰的」に考えている。

非経営的視点 経営的視点
短絡的 中長期的
表面的 本質的
局所的 俯瞰的

つまり、この「中長期的、本質的、俯瞰的」に考えることができるかどうかが、経営的視点を育む上で重要なポイントとなる。

戦後の昭和で「歴代総理の指南番」とも呼ばれ、政官財界のリーダーに大きな影響力を与えた東洋思想家、安岡正篤氏の教えに「思考の三原則」というものがある。

  • 長期的思考:目先に捉われず、できるだけ長い目で見ること
  • 根本的思考:枝葉末節に捉われず、根本的に考えること
  • 多面的思考:物事の一面に捉われず、できるだけ多面的に見ること

まさに、ここでいう経営的視点と符号する。

大局的に判断する

さらに、もう一つ重要なことがある。それは、
「中長期的、本質的、俯瞰的」に考えていったときに、

  • すぐには解決できない時間を要する課題
  • 核心的であるが多大なる労力やコスト・リソースがかかる課題
  • 各方面・各部門等多岐にわたる課題

などが明らかになってくる。

それらをもとに、効果性と実現性を踏まえ、的確に「優先順位」をつけて
重要な課題やその解決策に絞り込めるかどうかが問われる。
このことを「大局的に判断」するとここでは呼びたい。

この「大局的判断」ができないと、
単に正論を振りかざすだけになってしまい、
誰もついてきてくれなくなってしまうかもしれない。よくあることである。

折角「中長期的・本質的・俯瞰的」に考えて、適切に課題認識をしても、
事は前に進まなくなってしまう。
これでは本末転倒である。

だからこそ、「大局的判断」すなわち、効果性と実現性を踏まえ、的確に「優先順位」をつけて重要な課題やその解決策に絞り込むことが欠かせない。

ここまでまとめるならば、「経営的視点」とは、
「中長期的、本質的、俯瞰的に考え、効果性と実現性を踏まえて優先順位をつけながら、大局的に判断すること」と言える。

経営的視点